セメント製品も部分的な修繕が可能ですが、年数の経過している場合、一時的な維持管理の可能性も思料して維持管理を行って行くことが必要です。

セメント製品は経年劣化に伴い表皮の風化や劣化に伴い毛細管現象による雨漏りが生じる事があります。
また、施工上の諸問題による雨漏りも少なくありません。
不具合事例
下記事例は施工上の諸問題による事例と言えます。
- 事例@
この事例は葺き土が多く、冠瓦と漆喰面戸の位置が不適切で雨漏りが発生した事例と言えます。
- 事例A
この事例は母屋下がり屋根における雨仕舞いに不備があり、袖瓦が脱落した事例です。

年数の経過した
セメント瓦は塗装を行う事で雨漏りのリスクが高まります。
セメント瓦に限らず、年数の経過に伴い瓦の重なり部に土埃が堆積します。
堆積した土埃により雨水との親和性が高まり、毛細管現象による雨水の浸入が拡大する可能性があります。
そのため、塗装を行う事で内部に浸入した雨水が排出できなくなっていまい、雨漏りに至る可能性が高まります。
屋根塗装により雨漏りが生じた事例
- 事例@-1
この事例は和型スレート(通称)の事例です。
屋根の塗装により毛細管現象により浸入した雨水がオーバーフローして雨漏りが生じた事例です
- 事例@-2
事例@-1の瓦の裏側の写真です。
オーバーフローした雨水が瓦の裏側につたわっていることが確認できます。
- 事例A
この事例は厚型スレートの事例です。
塗装を行ったことで屋根材が塗料で密着してしまい、毛細管現象により雨漏りした事例といえます。
下葺きの損傷は経年劣化による事例であり、老朽化に伴い雨水の浸入を防ぐ事が困難になっていることが確認できます。
以上の事から屋根の塗装は屋根材の機能(雨仕舞い)を失うことになりかねませんので「年数の経過したセメント瓦に塗装をしてはいけません!」といえます。

セメント製品の対応年数は30年ほどと言われており、長期の維持をお考えの場合は葺き替え工事が推奨されます。
特に、年数が経過したセメント製品は風化や毛細管現象に伴う雨漏りなどが生じ、建物の耐久性を低下されてします可能性があります。
施工例:厚型スレートから陶器瓦F形への葺き替え
この工事は、雨漏りが生じていたため既存尾屋根材を撤去し、劣化した野地板の上に野地板を重ねて施工し葺き替えを行った事例です。
施工例:和形スレートから陶器瓦F形への葺き替え
この工事は、経年劣化に伴い、劣化した野地板の上に野地板を重ねて施工し葺き替えを行った事例です。